水中【詩・短編】

透明な液体の中に、ちゃぷんと飛び込む。

最初のほうは温度差に驚いて口にくわえていた酸素ボンベの管をこぼしていたが、今では慣れたものだ。

ゆっくり鼻で呼吸を整える。

陸にいる時とは違い、気を抜けば水流にながされてしまうあの感覚は自然の厳しさを教えてくれる。所詮人間は、自然界の中では弱い生き物なのだろう。

呼吸が落ち着いてくると、どんどん感覚が冴えわたってくる。

水を掻くための手足も、水温を感じる肌も、すべて水と同化していくようで、どんどん自分の体との境目がなくなっていくようだ。

魚たちが並んで泳ぐ姿も

海藻がゆったり揺らぐ姿も

遠方にかすかに見えるウミガメの姿も

人間のエゴで無くしてはいけないものだ。

私たちは、いったいどうすれば自然と共存できるのか。

私たちのエゴで自然をのっとってはいけない、と心に刻みながら、水の生き物達の幸せを願うのだった。

rikka's Diary

自分にしか書けないこと

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